FC2ブログ

スポンサーサイト

--.--.--.--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第5回社内勉強会 認知症看護の理解と看護の実際

2009.03.14.19:44

「認知症の理解と看護の実際」

平成21年3月14日@緑ヶ丘文化センター

 今年度最後の本社主催勉強会を締めくくるのは「認知症看護」となった。夜中から早朝にかけ、激しい雨と風で開催すら危ぶまれた天候にも関わらず、社員25名が集まり、講義がスタートした。

20090314-01.jpg

 今回の講師は訪問看護師の経験を経て、現在は認知症疾患専門病院である、和光病院(埼玉県和光市)で教育師長として活躍され、また、認知症看護認定看護師として、公の場所での講演やパネルディスカッションで、全国に認知症看護の大切さや面白さを伝えていらっしゃる、石川容子さんである。

認知症看護の必要性

 現在は6人に1人の割合で高齢者がいると言われているが、15年後の2025年には4人に1人の割合になるという。現在でも「要介護認定の2人に1人、居宅にいる要介護認定者の3人に1人は認知症があり、認知症がある3人に1人がいわゆる『動ける認知症高齢者』で、その6割は自宅にいる」という報告がある。何故認知症看護の知識が早急に必要とされるかはこの数値から容易に想定できる。ましてや認知症と診断されずになんらかの病気に合併し、訪問したら実は認知症だったという「隠れ認知症」の方も多く存在することを考えると看護・介護に携わる人間は、職種に関わらず学ぶべき必須科目と言っても過言ではない。

講義内容

20090314-02.jpg 20090314-03.jpg

 講義の前半は早期診断の意義や受診への橋渡し、薬物療法や認知症の症状と看護についての内容だった。その中で特に印象に残ったことは、①早期より本人への説明と同意を得ることで、治療をスムースに行うばかりではなく、自分の意思を伝える時期を作ることができること、②認知症は初期~中重度の方にも薬物療法により進行が遅らせることが出来る事、③認知症は精神機能だけではなく運動機能の障害と問題行動も伴うため、家族は容易に介護ストレスに陥り易くなる事。しかし、周辺症状(中核症状に色々な要因が加わって二次的に起こる)に起こる問題行動には、本人なりの理由があり、最も辛いのは本人自身である。という3点だった。特に③では医療者すらも、頭では判っているつもりが実際の場面になると、スムースにやりたいことが行えず、理解に苦しむなど気づかぬうちに自分中心の考えになっていたりすることは否めないのではないだろうか。

看護の実際

 看護の実際では ①認知症の人の思いとは? ②健康管理 ③認知機能のアセスメント④具体的な日常生活援助(食事・排泄・入浴・更衣・睡眠)のポイントを丁寧に例を挙げてお話しいただいた。医療従事者の基本とも言える、認知症の方にお会いした時に“いつもと違う。何か様子がおかしいという気づきが大切 “ということや、①では、どうしても問題行動に振り回されがちではあるが、問題行動はそれをさせないように手を打つのではなく、まず認知症患者の行動を理解した上で何らかの工夫をすることが大切ということを知った。

(ある例)放尿をしてしまう方がいて、そんな方に放尿してしまった場所に小さな鳥居を付けたら放尿がなくなり、安心してトイレで排尿出来るようになった。
その方にとってはトイレ以外で排尿しなくてはいけないという屈辱があったが、それに気づかず、介助者はなぜ放尿するの?と、放尿する理由を追求していた。鳥居は偶然に思いついた工夫ではあったが、鳥居にはおしっこをかけてはいけないという、人間の心理を使ったことにより、結果的には放尿しなくなり、ご本人の屈辱な思いは消えたのである。
この例では、その行動の理由を考えることがこの方へのケアではなく、この方にとってはその行動はどんな思いが存在するのか、ということを考える事が必要だった例であり、認知症の方のケアは一辺倒にはいかないな。と考えさせられる例でもあった。

コミュニケーション方法

 認知症の人とのコミュニケーション方法では、援助者自身のコミュニケーションスタイルを知り、それが相手にどんな影響を与えているかを知ることや、援助者が目の前の認知症の人をどう捉えているかを自問自答してみる必要がある事を場面を通して教えていただいた。

20090314-04.jpg

家族への支援

 認知症の方と24時間接するご家族の思いは、恐らく想像以上であろう。最近、疾患は様々であるが、介護疲れで家族が殺人を犯してしまう、又は心中してしまうなどの報道が増えたのは気のせいではない。講義では、ご家族の苦しみや悩みは代わることはできない。しかし、そのご家族を支える医療者の関わりとしては、認知症を理解していただくといった教育的アプローチから始まり、ストレスを抱え込まないように「一緒に頑張っていきましょう」という心からの言葉を伝えることが大切であること。そして、忘れてはならないのは、信頼関係を構築できたと過信しすぎず、常に謙虚さと自信を持ちながらご本人やご家族とかかわる姿勢を持つことが大切だということを改めて教えていただいた。

 今回の勉強会では、その病気からくるその人の行動は必ず意味があり、また、その行動に対する心情も考えながら、ご本人が安心できる生活の工夫や言葉掛けをすること。個別性をもったかかわりが必要なため、マニュアル通りの看護は通用しないこと。訪問看護だからこそ出来ること、気を付けなければならないことなどを教わり、薬物療法の効果や訪問先での普段のかかわりがどうであったのかを確認できる場になれたのではないかと思う。

20090314-05.jpg20090314-06.jpg20090314-07.jpg


●参加したスタッフの感想●

・私のお客様も大なり小なり、ほとんどの方が認知症です。今回念願だった認知症の研修に参加し、石川先生の和光病院での経験談もあり、教学的だけでなく実践面でも勉強になりました。又、早期発見の意義、薬物療法、いろいろな障害等、具体的に一つ一つ分かり易い講義でした。

・病院で働いていても、訪問をしていても本人の意思が確認できない状態になってから、本人の今後のことや医療行為を決めていくことが多く、「本当にこれで良かったのか」と家族や周囲の心を悩ませる事も多く、難しい問題であると実感しています。施設入所や胃瘻増設などの希望が事前に分かれば、それが家族に心のよりどころになるということが分かりました。今後本人の意思を確認したり、早くから家族が色々な事について予測出来るようなかかわりをしていきたいと思いました。

・認知症に対するアリセプトの効果が分かりました。今後医師と相談するときの知識として大変役立つと思います。

・認知症の方の行動についての実体験を聞くことが出来た為、今後訪問で問題になることについてとても参考になりました。(例えば、徘徊の方で玄関を分からなくして外出してしまうのを予防した。等)それぞれの方が違う原因で行動を起こしている為、様々なアプローチを考えて良い対応をしていけたらいいと思います。

・家族が問題を感じている時は、本人も困っているはずであると分かり、それを聞き出すアプローチについても学ぶことが出来ました。本人の不安感を取り除いて安心して生活ができるようにすることが、家族の安心にもつながると分かりました。

・今回は今、自分が実際に抱えている問題であったため、とても興味深く聞かせていただきました。関わりとして一番大切なのは、やはり家族の役割、介入者の役割をしっかり区別して認識し、その上で範囲を超えずに医療従事者としてのケアやアドバイスをすることだということが改めて認識できました。

・事例も交えながら分かりやすく教えていただいたので自分なりに認知症についてまとめることが出来ました。思いやり、配慮を忘れずに、コミュニケーションを行っていくことがやはり大切である事を実感できました。

・今回は看護の視点が主だったので、次回は是非認知症のリハビリテーションについての講義をしていただきたい。

・実際に自分の肉親が羅患する可能性があるとともに、社会的な問題となっているので、この内容は、是非社会的な一般常識となっていくことを願わざるを得ない。

・ご本人のお体よりは周囲の方の介護負担軽減の目的で処方や処置が行われること、Drに相談することをどう捉えていいのか自分の中で迷うことがあったが、今日のお話を聞いて、その辺の迷いが払拭できた。謙虚さを忘れずに、Drとも向き合っていこうと思う。

・夕方の帰宅願望に対する、話の内容の転換をさせることは勉強になった。

・(血糖降下剤が内服できない方に対し)初めは正確に内服できないことに苛立ちや焦りを感じることも多かったのですが、今日の講義を聴いて、不安に感じるのはご本人様が最も強く、訪問に行きはじめたからと言って、すぐに問題は解決しないので、長い目でゆっくり時間を掛けていこうと思えるようになりました。

・現在、認知症の進行によりご家族が振り回され、疲労が強いケースを持っている。今回認知症の方を持つご家族の話を聞いて、タイミングも色々あるが、もう一歩ふみこんでおくべきだったかと思っている。もう少し私が出来ることをはっきりさせ、お互いに穏やかに過ごせる方法を考えていきたい。

・マニュアルがないからそれぞれで対応するしかないのであれば、実際の看護に活かすことは難しい。どの勉強会(認知症だけでも5回以上)に出ても、自分の看護に直結しずらいという感じは常に持っている。すぐ答えが出る必要はないし、自身で探すものではあるが、一助にはしたいという気持ちはある。

関連記事

comment

Secret

プロフィール

ソフィアメディ

Author:ソフィアメディ
ソフィアの教育・研修担当が旬な情報を発信します!
ソフィアメディを詳しく知りたい方はこちら

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。